*birthday

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*birthday

 お姉ちゃんを待ち続けても、帰る気配はない。母親は毎日のように夜遅く帰ってくるお姉ちゃんを良いように思っていない。  これがただバイトのなら多少は何も口出しなんかしないと思う。  けれど“ 夜のバイト ”とバレた日から家族はぎくしゃくしていく。毎晩、見知らぬ男性がお店に来店をしてお姉ちゃんを指名する。  指名された日には、お姉ちゃんはその知らない男性といけない関係を持ってしまう。妹の立場からお姉ちゃんを軽蔑した。 『そんなにお金が欲しいの!』  そうバイトに行こうとするお姉ちゃんに対して嫌味を吐いた。無言のまま玄関のドアを閉めるお姉ちゃん。  お姉ちゃんが何を考えているのか、妹には全く分からなかった。決して裕福な家庭ではないけれど普通に生活は出来ている状態というのに。  一体何の為にお金を貯めるのか、不思議でしょうがなかった。  今日は妹の誕生日だ。お姉ちゃんは相変わらずバイトで両親が祝ってくれた。  全く薄情なお姉ちゃんだ。  そう思うのも束の間、玄関のドアが開く音。誰だろうと妹が玄関を見に行くと、お姉ちゃんが何かが入っている袋を持っていた。  きっと男性のお客さんにでも貰ったのだろう。  お姉ちゃんは、良いなぁ。私なんて両親以外に誕生日のプレゼントさえ貰っていないのに、誕生日でもないお姉ちゃんがプレゼントらしき物を持っているのに嫉妬した。  すると赤色のリボンが結ばれた袋をそのまま妹に手渡す。  意外な事に頭を傾げるが、お姉ちゃんが妹にくれた物。それは白色のワンピースだった。  しかも、高価で手が出せなかったワンピースだ。何でこれをお姉ちゃんが持っているの?? 「これね、事前に予約してたの。予約ギリギリで買えて良かった」  息を切らしながらプレゼントの説明をしてくれた。呼吸が荒いのは、早く誕生日のプレゼントを渡したかったからだろうか。  その行動だけで胸がいっぱい妹。 「有難うね、お姉ちゃん。大好きだよ」 ーーー 作者です。百合小説のリハビリとして書きました。「*」が付いてるのはリビング用だと思って下さいませ。
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