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その後の事は、まるで現実感のない、夢の中の出来事のようだった。
彼とスキンヘッドは、それこそ踊るような動きで次々と半グレ連中を打ち倒して行く。結構殺伐とした光景なのにも関わらず、青白い月の光の下では何かしら美しい映画のワンシーンのように見えた。
十人の半グレはあっと言う間に全員が打ち倒され、地面でのたうち回っていた。呆然と見ていた俺の横を、警官が通り抜けて行った。サッカー場入口にある交番の警官だろう。
彼とスキンヘッドの二人は、お互い頷き合うと、正反対の方向に走り出した。
その後、パトカーや救急車がやって来て、現場は騒然となったが、半グレが昼間にも騒ぎを起こしていた事、そして自分達を外傷させた相手を訴えない、とした事で、今回の件は半グレ同士の人騒がせなケンカ騒動という事で決着がついた。
それ以来、あの拳士の姿は見ていない。
終
20190905
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