拒否反応

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掃除の時間になり、国語科準備室に行くと、昨日途中で切り上げたままの本の山が、長机に並んでいた。松下先生はいない。先に着いた私は、ひとりで昨日の続きをする ことにした。 「いたた……」 一気に何冊もかかえたからだろうか、もうそれほど痛くなくなっていた背中に響き、思わず声をもらす。 「持ちすぎ」 その言葉と同時に、持っていた本が急に軽くなった。横を見ると、川北くんが立っている。 「……驚かさないでよ」 「ケーキの匂いする? チェック毎回してるんだけど」 「しない……」 毎回確認してくれているのだろうか。ほんの少し申し訳なく思いながら作業を続ける。 「自分の力を過信しすぎなとこ、直したほうがいいぞ」 川北くんが、本を取り出しながらそんなことを言ってきた。 「……わかってるよ」 けれど私がそう返すと、彼はびっくりしたような顔をする。 「なんか、いいことあった?」 「なんで?」 「なんとなく。いつもだったら無視か言い返してくるじゃん」 そう意地悪く言って、自分は大量の本を一気に取り出している。
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