拒否反応

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「モエモエと一緒にバスに乗るのは、はじめてだね」 「うん。なんか遠足みたいで楽しい」 一番奥の席に、三人並んで座る。はしゃいでいるふたりの横で、私は小さなため息をついた。 「でも、瀬戸さんの家の近くだって知らなかった」 「私もこの前聞いたの、たまたま」 「もしかして、将真くんが家に謝りに行った日?」 「あー、うん。そう」 そこからまた沙和が、その日はどんな感じだったのかと詮索してきて、謝りに来てくれただけだと適当に話をかわす。 「あ、そういえば、モエモエ聞いてよ。結子ね、戸崎くんに会いに図書室に通ってるのよ」 川北くんの話が終わってほっとしたのも束の間、沙和がまた余計なことを言いはじめた。 「ちょっと沙和、誤解させるようなこと言わないで」 「えー、でも、もう三日くらい? 昼休みは図書室に行ってるじゃない」 「それは、本を読みたいから」 「ほんとかなぁ。話をしてるんじゃないの?」 「話は、まぁ、少しはしてるけど」 すると、沙和をはさんで奥に座っている嶋野さんが驚いた顔をする。 「すごいね、瀬戸さん。隼人くんって無口だし、私もなかなか会話が続かないのに」 それを聞いて意外だと思った。嶋野さんは私と違って、誰とでも仲よく会話ができそうなのに。
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