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失われたソウルメイト
漆黒のライト>わりぃ、大地。俺、ソウル・ジャッジやめるわ。
漆黒のライト>受験勉強する。
それが、明からの最後のチャットだった。
夏休みが始まって間もない日、喜び勇んでソウル・ジャッジにログインした俺がそのメッセージを目にしたのは、その5時間後の事だった。
悠久のガイア>@dark_light ちょっと待てよ、明!どうしてだよ?
悠久のガイア>最後まで一緒にやるって言ったじゃんかよ!
突然の出来事に驚いた俺は漆黒のライトこと明にメンションを飛ばす。
しかし、オフライン状態の明に届くことはなかった。
ーーまあ、懸命な判断だな。
ようやく現実を飲み込めた俺は大きくため息をつくと、椅子の背もたれに寄りかかって天井を仰いだ。
中3のこの時期にネトゲに入れ込むのは、俺もどうかとは思う。けど、乗りかかった船を途中で降りたりはしたくない。何事も最後までやりきる、がモットーの俺はゲームであってもその考えは曲げたくなかった。
ーーだいたい、こんな半端な状態は受験に身が入らない
そう思うとすぐに俺は再びモニターに視線を落として、ラウンジに接続した。
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