序章 追われる少年

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序章 追われる少年

時は 戦国時代 場所は。。。。。神州そして甲生州の山の中 不可思議な光景が目に入ってきました 「馬鹿な 我々は 武田のシンゲン公に乞われて ここまで参ったのじゃ 何故 この先へ行くこと出来ぬのじゃ?」と 精悍な男が 武田の武者と思われる者に食ってかかっているのだが 「いや 我らは そのような話は聞いておらぬ 即刻 立ち去れ さもなくば 引っ捕らえるぞ」と数名の武者達が詰めよっては その男達を この場所から 去らせようとしてきます 「我は 印西より参った 御堂 甚一郎(みどうじんいちろう) そう伝えてもらえば 必ずや わかるはずじゃ 」と こちらも 下がらず 言えば その後ろに隠れるように  少年が 「父上 そちらで我らを必要としていないのなら 戻りましょう ここで言い争っていてもしょうがないと思うのですが」 そこへ その二人に付き従っているらしい青年も「御堂様 どうも様子がおかしい 彼ら 何かに操られているような。。。。。ここは下がりましょう」とひそひそ声で言うと 御堂 甚一郎 頷き「ならば ここに一筆我らがこちらまで来たと言う標に 書いて頂きたい」書状を 取り出して 出会った武者団の指揮官らしき者に 手渡しました さらさらと 書状にサインをした 武者は 「ほら すぐに立ち去るように」と 言っては 逆に彼らがそそくさと立ち去って行きます 「おかしい 確かに やつら 本当に武田の武者達か? 颯(はやて) 少し探りを入れてみてくれ 我らは 先程の荒れ寺にて しばし休憩をとっておる」と 少年を連れて 御堂 甚一郎なる男 付き人の颯に命じて 急ぎ足で そこを立ち去りました その状況を  ん?  なんだぁ 山の中の杉の樹上にて 見ている者が しかも その者の格好が これも 不可思議 僧侶のような墨染めの衣を纏っています  いったい これは何者なのでしょうか?  そして 立ち去った武者達は?
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