第二章 山窩の太郎丸とこふゆ夫婦

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焚き火あとを 元へ戻して 出立した 太郎丸 こふゆの若い山窩の夫婦 そして 印西の里の忍びの少年 御堂護 森の奥へ奥へと進んで行きます 「あの 太郎丸さん 山窩の方って 仲間同士で生活してると思っていたんですが。。。。。」 「ああ おいら達は 言ってみれば はぐれ山窩みたいなもんだ」 「えっ? はぐれって?」 「ああ いいか こふゆ あれ話しても?」 「別にいいよ っつうか あたしから話すわ あたし元々 山窩ではなくてね 狩人だったんだよね お父もお母も 三人で 山で獣を捕まえたり 川で魚を捕まえたりして 暮らしてたんさ ところが ある日 さっきの野武士みたいなやつらが やって来て お母を捕まえようとしてるところを お父が戻って来て やつら お父に刀突き刺して お母を連れて行こうとしてたんだな あたしが 魚を捕りに行った川から戻って来たら したら やつら今度は あたしも捕まえて 連れて行こうとしたっけ お母が いきなり やつらに 抵抗して 。。。。刺されちゃって。。。。 」 その時を思い出して 涙ぐむ こふゆにかわり 太郎丸が 「そこへ おいらが たまたま 魚捕りに来てて 悲鳴聞こえてな来てみれば そんな状況だ おいら 頭に血がのぼって やつらを皆殺しにしたったんだよ その後 こいつ ずっとおいらについて来てな まあ 嫁にしたんだな」 「あたし。。。。どうしていいかわからなくて それにね。。。。 だって助けてくれたこの人 好きになっちゃったし お父もお母も死んじゃったし。。。。 」 「んだがなぁ おいら達 山の民には 山の民のしきたりみたいのあってなあ 勝手に 嫁なんかあかんべーってことでよぉ 面倒だから そのまんま 山窩の仲間から 離れちまったってことだな まあ もう昔話だが こふゆにとっては辛いことなんでな あまり話さなかったがよ 少年 お前さんも お父ぉ 亡くしちまったんだろう んでな 」 「こふゆさん すみません 辛いこと思い出させてしまって」 「何言ってるだぁ あんただって 仲間やお父亡くしたばかりなんだから 気にしないでね」 と いつの間にか 三名 いろいろと話をしては 結び付きのようなものを感じていました
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