第二章 山窩の太郎丸とこふゆ夫婦

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根黒忍法僧二人 覇力坊と黒縄坊  やはり 千本坊の死体のあった場所から 手分けをして 御堂護少年を探索することに そして 覇力坊 太郎丸達のいた 洞穴を発見して 焚き火あとより 探索開始していました。 川沿いを進む 太郎丸達は 夜となり 天幕を張って 休んでおりました そこへ 嗅覚を駆使して やっと追い付いた 覇力坊が 闇から その天幕を見張り  その中のもの達が寝静まるのを 待っているようです それとは気がつかず  太郎丸達は 眠ってしまっているのでしょうか? ほー ほー と 梟の声が 闇の森より聞こえて来ては  川のせせらぎの音が 静寂に  そこへ 何か獣が 辺りに近寄って来ては 覇力坊に気がつき 逃げていきました 「ふん まだ 眠っていないのか? まあいい まだ夜はたっぷり時はあるしのぉ」 一方  天幕の中では 太郎丸 鼾をかいて寝てはいるものの 御堂護少年には 先刻より 忍びの感覚か? 何者かの気配を感じているのだが  「しっ 静かに どうやら あいつらの仲間のようですね」と 囁くような声で こふゆが 護少年に伝え また 太郎丸も 気がついているのだが わざとらしく 鼾をかいているようです
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