第二章 山窩の太郎丸とこふゆ夫婦

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夜も更けて ついに  根黒忍法僧 覇力坊 動きだします。 そろりそろりと 天幕に接近しては 攻撃しようとしているところへ パシーー‼ 一本の矢が  覇力坊の胸元へ 無論 こふゆの放ったものでした。 ズバッ 突き刺さったかに見えた が 「忍法流体。ふふふ。矢など俺には利かぬはぁ」 覇力坊 体を水分のようにして 敵の放った武器を無効化しては 「行くぞぉ」と 半透明に成った覇力坊 錫杖を振りつつ 天幕へと 殴りかかりました。 「どりゃぁ~!」 天幕より 飛び出した 太郎丸  ウメガイで 斬りかかります。 「じゃから 刃物なぞ 俺には利かぬ 。。。。。 ん? ウメガイ。貴様 印西の忍びではないのか? 山窩ぁ?」 ウメガイで 腹をかっ切ったつもりの太郎丸だったが 覇力坊の忍法流体のため 傷ひとつつかず 錫杖で 弾き飛ばされました。 「山窩がなんだって その小僧の手助けなんぞしてるんだぁ?」と問いつつ 錫杖を 振り回して 怪力の持ち主 覇力坊の殴打を なんと 太郎丸 両掌で 受け止めるや 「お前さんも力自慢みたいだが おいらも 力じゃ負けちゃいねえぜ」と 錫杖を受け止めた 掌で逆に 覇力坊を振り回すほど。。。。 覇力坊 「馬鹿力出しやがって~」と自身の体を流体と化して 一瞬力を抜き 太郎丸が よろめくところへ 再び 錫杖の一撃を食らわそうとします が そこで 姿を見せていなかった 御堂護少年  流体と化した 覇力坊の真上から 天幕を投げつけました。 「何ぃ なんじゃ邪魔くさいもの 投げよってぇ」と 幕を弾き飛ばそうとした瞬間 太郎丸 自在鉤テンジンを 覇力坊の足元へ 投げつけて 足元を天幕ごと 縛り上げてしまいました どすん バランスを失った 覇力坊に被せられた天幕 それを 足元で縛り上げた 太郎丸は  天幕が袋のように成って 中に閉じ込められた覇力坊を  なんと  太郎丸 怪力をもって ブンブン ブンブンっと テンジンの結びつけられた紐を ぐるんぐるんと回転し始めるや そのスピードを加速して 上空へと投げあげましたぁ~!
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