第二章 山窩の太郎丸とこふゆ夫婦

7/21
前へ
/62ページ
次へ
宙へ飛ばされた 覇力坊 「馬鹿めこの程度の落下の衝撃など 流体と化してる俺には 利かぬわぁ!」と 言う声がするも そこへ パシー~! 一本の矢が~! スパー~! っと 天幕に包まれた 覇力坊を貫きました 「はははは また矢を射たか それも利かぬと言ったではないかぁ ぐはははぁ」と哄笑を響かせる 覇力坊 しかし そこへ 太郎丸が 「ふん あばよ 化け物坊主よぉ」と大きな声で相手に言うや バシャッーーーーーーン なんと 天幕がちぎれ切ったところで 覇力坊 川へと落下しました 「なにぃ~! うわー 貴様らぁ~」 「おい坊主 お前さん 少年の前で自分の弱点証してちゃあ そんな技 なんの意味もねえだろうが ふん 湖で小舟に逃げた少年を水を嫌って追うのをやめたこと 少年きっちりと覚えていたぜぇ」 そうです 狭羽湖畔にて 颯を倒したあと 御堂護少年が 小舟へと逃走したにも関わらず そばにいても追わなかったことが 自身の弱点を晒すことになるとは 覇力坊も思っていなかったようで 川の水の中に 流体と化した体を 雲散霧消 溶けて行く自分の間抜けさに 気がついたとしても 後の祭でした 「おい 少年 お前さんが投げたあの天幕で 仲間の仇をとったぜぇ」 「はい 太郎丸さん こふゆさん ありがとうございます 颯さん あなたの仇討てました」と キラキラと光る 川面を眺めて 頭を下げる 御堂護少年でした ここに 根黒忍法僧 覇力坊 倒されました 
/62ページ

最初のコメントを投稿しよう!

17人が本棚に入れています
本棚に追加