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北上開始した 御堂護少年と颯 慌てず 周囲に気を配りながら 急いでおります
一方
あの荒れ寺辺りまで戻って来た 根黒忍法僧
千本坊と 覇力坊 そして 黒縄坊の三名
やはり 少年の気配を嗅ぎとるべく 辺りを集中的に探索しております
樹上にて 千本坊が「こいつは 猿が食ったのではないなぁ 」と山葡萄を食べた跡を発見しては 「なるほど 見つからぬはずじゃ あの小僧 すでに立ち去ったと見せかけて 暫く この辺りに潜んでおったのじゃ。となると やつらも馬鹿じゃない わしらが探索してること知っておるから このまま 印西の里へ 直接向かうとは思えぬなあ かと言って 再び武田のいる甲生州へと向かうとも思えぬ となれば 北か南か どちらかに迂回したじゃろう よしここで再び手分けするぞ 覇力坊 お主は 南の街道筋を徹底的に洗ってくれ 黒縄坊 そしてこのわしは北の森の中へ進んでみようぞ」と
やはり 忍法僧を名乗るだけに 護少年達の行動が読まれてしまっています
しかも 運悪く 二名の僧侶が追っ手として やって来るとは
先に逃げる 護少年と颯 追っ手に追われる身となったことに気がつかず 北上続けています
「結構 この辺りは 森の木々が深いですねえ」
「うむ 普通の旅人は通らぬしなあ この辺を道として使うのは狩人やら 山の民 山窩くらいじゃろう」
「山窩(さんか)ぁ?」
「そうじゃ 山で暮らす 放牧民でな 印西にもたまに 箕やら笊やら作って来ては 食料と交換しに来てるぞ」
「ならば 彼らは山の専門家だねえ 道案内とかしてほしいかもね」
「いやいや 彼らには彼らの規則があっての なかなか 平地人とは交わろうとはせぬそうです 」
「そうかあ。。。。。」
と話ながら 藪を漕いで進んでいると
パーっと 草原が開けました
「こいつは楽でいいねえ」
「いや 護様 ここは慎重に慎重を重ねなければ危険な場所です 進み安くても 敵に発見されやすい場所ですから」
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