永久(とこしえ)なる日常は

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(うん?人、だよな・・何かおかしくね?)  頭らしきものと胴体、そこから左右に伸びる両手とニョッキリ生えている両足と思わしきシルエット。  その形は紛れもなく人に見える。  けど、けどデカい、多分相当デカいんだと気付いた。下の階の部屋と同じ位の大きさに感じる。 (マンションの天井ってどれくらいだっけ?)  その人物は両手の肘を曲げ天に伸ばす動きを延々繰り返していて、何だか雨乞いのようだなと僕は思った。 「なんだなんだ?目がおかしいのか?」  もっと近くで見ようと、再び自転車を漕ぎ出す。さっきまでと違って、ペダルを踏む足に力が入る。  目標のマンションの近くにつれ、その人物?の姿が詳細に見えてきた。  改めて見るとやっぱり大きい、3メートル位はあるように思う。手足は長くて上半身は裸。というか真っ裸。  服らしきものと言えば首元を一周する銀色のバンドと、そこから体を分断するかのように真っ直ぐ伸びている同色のバンド。  何だか銀色のきしめんを貼り付けているみたいで、滑稽な感じさえする。  そして目が異様にデカい、TVでよく見る宇宙人を想像させた。  腰くらいの長さの髪の毛は、バサバサと風になびいている。
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