序章

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ーー3ヶ月後 「では次の人。 ……ルアナ、また赤点よ! まったくもう……明後日に追試ですからね」 「はーい…」 「続いて、ライ。 ……素晴らしい!また100点よ!」 おおぉぉ!! 生徒から感嘆の声。 席に戻ると…… 少しふくれっ面で、ムッとしたルアナがいる。 「なんでテスト勉強がんばったあたしが赤点で!大してやってない、ライくんが100点なのよ! ……きみ、実は薬で小さくなってるとかそういう系でしょ!?」 「ハハ、まあそう言うなって。追試対策、手伝うからよ。」 「わーい♡」 いつもこんな感じだ。 ルアナは、人一倍『がんばりや』。 毎日の予習復習を欠かさず、授業も真剣に聞く。 テスト前には、遊びの誘いも断り、下校後に毎日4時間の勉強。 よくいる優等生といった感じ。 でも、 なぜか成績は悪い。 勉強だけじゃない。 スポーツもダメ、音痴、芸術センス皆無、料理もマズイ。 そう、彼女は…… 『何一つできない』。
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