序章

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「つらそうね……」 「先生!! ……彼女のためだったら俺は…」 「……手がない訳じゃないよ」 えっ!!? 「島の中央にある、オテマヌ山の山頂に……… この世界の『記憶』が眠っているとの……伝説がある」 !!? 「そこに行けば、ルアナが”奪われたもの”を取り返せる……かもしれない」 「ホントか!!?先生!!」 「ああ。………でも、行くなら気をつけな。 知っての通り、今まであの山に向かい……… 帰ってきたヤツはいない。」 ……そうだった。 ここは小さな島国で、うちの学校や町は、島の沿岸部にある。 しかし、島の中央部には…… 険しく切り立った、天に届くほど高くそびえたつ、神秘的な岩山がある。 名を、オテマヌ山。 “イカれた神々の遊び場”……そう呼ばれている。 『オテマヌ山には絶対に近づくな』 ……子供でも知ってる、この島の常識だ。 戸惑ってる俺に追い打ちをかけるかのごとく、先生は言葉を続けた。 「この世界で命を失うと、”強制ログアウト”され……… この世界での『記憶』は………抹消される!」 !!? ……は? 「先生、何を……言って……」
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