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「いや、あの…」
何て言って断れば良いんだ?忙しいとか?いや、でもさ、これからあと十分も俺はこのバス停にいるんだけど…。
「あの、ほんの少ししか迷惑はおかけしませんから!」
俺に迷惑かかるんだ?!
「話だけでも…」
彼女は綺麗な半円をしている眼でじっと俺を見つめてくる。
そんな潤んだ瞳で見ないでくれ。何か俺が悪いみたいじゃないか。
うう…。
「いや、俺、バス待ってるんで」
「じゃあ、バスが来るまでの間はお時間あるんですよね!」
やんわり断ったつもりなのに彼女には通じなかったのか、無邪気な笑みを彼女は浮かべた。
あ〜もぅ、俺の馬鹿!この正直者!!
心の中で俺は自分を罵倒した。
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