三花 七月七日

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三花 七月七日

ーー三花 七月七日ーー  いつもと変わらない一日が終わり、 「じゃあ、気をつけて帰れよー」  永沢先生が教室を出ていった。  普段と違ったのは。 「ねえ、みんな! ちょっと待って!」  町田那智が、片付けを始める生徒達を呼び止めたことだ。 「昨日、沙月達と聞いたんだけど、みんな『ナノカさんのおまじない』って知ってる?」 「なんだそれ?」 「知らなーい」 「あ、名前は聞いたことある!」  聞いたことがあったのは数名で、ほとんどの者は知らない。三花も聞いたことのない名前だ。 「一年に一度、七夕の日だけのおまじないなんだけど、放課後、教室にいる全員で『ナノカさんナノカさん、お願いします。私達の願いを一つだけ叶えてください』って七回唱えると、その中の一人の願いが何でも叶うんだって! ね、やってみない?」
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