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三花 七月七日
慌てて目を開けると、周りの光景は明らかに変わっていた。
「何だよこれ……」
誰からともなく呟いた。
創立十年の近代的な学校にいた筈なのに、今立っているのは木目調の全体的に古めかしい雰囲気の教室。机も椅子も、高校で使うには明らかにサイズが小さい。そして、何より。
「何、あれ……?」
沙月が指差した先は教室の前方、大きな黒板だ。黒板に書かれた文字は、血のような赤で染まっている。
『
一、ナノカの大切な物を見つけてくれたら、何でも願いを叶えてあげる。みんなを生きて帰してあげる。
一、大切な物を見つけたら、大きな声でナノカを呼んで。
一、間違ってたら、殺してあげる。
一、一時間呼ばれなかったら、四人殺しに行くからね。
一、あの子達は鬼ごっこがしたいって。逃げながら探してね。
一、全員見つけられなかったら、全員死んで。
一、七日間で見つけられなかったら、全員死んで。
はい、スタート。
』
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