三花 七月七日

1/7

45人が本棚に入れています
本棚に追加
/52ページ

三花 七月七日

 慌てて目を開けると、周りの光景は明らかに変わっていた。 「何だよこれ……」  誰からともなく呟いた。  創立十年の近代的な学校にいた筈なのに、今立っているのは木目調の全体的に古めかしい雰囲気の教室。机も椅子も、高校で使うには明らかにサイズが小さい。そして、何より。 「何、あれ……?」  沙月が指差した先は教室の前方、大きな黒板だ。黒板に書かれた文字は、血のような赤で染まっている。 『 一、ナノカの大切な物を見つけてくれたら、何でも願いを叶えてあげる。みんなを生きて帰してあげる。 一、大切な物を見つけたら、大きな声でナノカを呼んで。 一、間違ってたら、殺してあげる。 一、一時間呼ばれなかったら、四人殺しに行くからね。 一、あの子達は鬼ごっこがしたいって。逃げながら探してね。 一、全員見つけられなかったら、全員死んで。 一、七日間で見つけられなかったら、全員死んで。 はい、スタート。 』
/52ページ

最初のコメントを投稿しよう!

45人が本棚に入れています
本棚に追加