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「え、ドッキリ、だよな……?」
少しの沈黙を破ったのは近藤透だった。その言葉に幾人かの肩の力が抜けて、乾いた息を漏らした。
「そ、そーだよな! 女子達やりすぎだって!」
「びびったじゃん! すげーな、どーやって一瞬で教室変えたんだよ!」
「ま、まじ驚いたわ~!」
「そんなことできるわけないじゃん!」
「知らないよ、こんなの!」
「ここどこ!? 何これ!?」
那智達の声は、嘘や冗談を言っているようには聞こえない。一緒におまじないを言い出した野山友華なんて、目に涙を溜めて半ばパニック状態だ。
何がなんだかわからない。
わかるのはドッキリではなくて、異常事態ということだけ。
「嘘……何、これ……?」
ようやく絞り出せた言葉はそれだけだった。
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