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その時だ。
開いていた前方の扉から大きな塊が二つ、教室へ飛び込んできた。塊は止まることなく、扉近くにいた二人に飛びかかる。
「えっ」
「うわぁっ!!」
声を出せたのは一瞬だけ。
次の瞬間には二人の体から血が吹き出した。
「うわぁーっ!」
「高沢! 遠藤!」
「ミドリっ!」
「イヤーっ!」
二人と仲のいい面々が手を伸ばしたけれど、二人の体は塊の爪に無惨に引き裂かれ、ぱっくりと割れている。助からない。二人は、もう。
「逃げるぞ!」
飯野卓哉が動いたのを合図に一斉に後方の扉へ走った。
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