三花 七月七日

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 その時だ。  開いていた前方の扉から大きな塊が二つ、教室へ飛び込んできた。塊は止まることなく、扉近くにいた二人に飛びかかる。 「えっ」 「うわぁっ!!」  声を出せたのは一瞬だけ。  次の瞬間には二人の体から血が吹き出した。 「うわぁーっ!」 「高沢! 遠藤!」 「ミドリっ!」 「イヤーっ!」  二人と仲のいい面々が手を伸ばしたけれど、二人の体は塊の爪に無惨に引き裂かれ、ぱっくりと割れている。助からない。二人は、もう。 「逃げるぞ!」  飯野卓哉が動いたのを合図に一斉に後方の扉へ走った。
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