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気配が遠くに消えて、一気に緊張が解けた。
足が言うことを聞かず、次から次へと膝から崩れ落ちる。
「あれ、な、何なの……?」
「化け物っ……耳長かったよ、うさ、ぎの、化け物……?」
「遠藤と高沢がっ、何でだよっ」
「なんで……ここどこだっ」
「うわぁあーっん」
今見たものは現実なのか。
二人は本当に死んでしまったのか。
自分達がいるこの場所は、一体どこなのか。
息を整えたくても、恐怖から、不安から、体が震え、息も上がるばかりだ。
でも、三花には今目の前に見える姿の方が信じられなかった。
「大丈夫?」
扉の前に立ち、三花達を気遣うその女。
お母さん譲りの色素の薄い綺麗な髪。
「味方ってことでいいんだよな……?」
「助けて、くれて、ありがとうございました」
「敵じゃないから、安心して。怪我した人はいない?」
七年前まで毎日見た県立高校のセーラー服。
優しくて、小学生だった三花にはいつもキラキラして見えて、大好きだったその人は。
「二葉、お姉ちゃん……?」
言葉を絞り出した瞬間、視線が一斉に集まった。
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