45人が本棚に入れています
本棚に追加
/52ページ
でも、そんなことは気にならない。
七年前から一度も会ってない。
どこにいるかも、何をしているかもわからなかった。電話も手紙も一度もなくて、忘れもしない夏休み最後の日から、その存在を感じられたことは一度もなかった。
そのお姉ちゃんが目の前にいる。
三花が知る姿のままで。
まるで時が止まったように、高校生のまま目の前にいる。
「うそっ……三花なの……? 嘘でしょ……?」
女は目を見開いて、今にも途切れそうな声で囁いた。もう他のクラスメイトなんて視界にも入らず、三花だけを見ていてそれだけで確信できた。
「そうだよっお姉ちゃん! 今まで、どこにいたの……? 何で、昔のままなのっ……?」
聞いた瞬間、二葉の目から涙が溢れた。
最初のコメントを投稿しよう!