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三花 七月七日
「え、ちょっと切山さん、どういうこと? お姉さんって?」
沖田めぐみが尋ね。
「ここ、どこなの!? 何でお姉さんがこんなところにいるの?」
「切山二葉って……聞いたことあるような」
「さっきの化け物なんだよっ!?」
なおも見つめあったまま動けない二人をよそに、みんな次々に質問を投げ掛ける。
先に動いたのは二葉だった。
「三花達も、『ナノカさんのおまじない』をしちゃったの……?」
泣きながら、一歩、また一歩と三花の方へ歩みを進める。
「も、って……どういうことなの、お姉ちゃんも、おまじないをしたの?」
「うん……」
「し、信吾兄達と……?」
「そう」
「あれは、おまじないのせいなのっ?」
尋ねる声は、三花自身、震えているのがわかった。
「……うん」
二葉が頷いた瞬間、三花の瞳からも大粒の涙が溢れ落ちた。そのままあと少しの距離まで来ていた姉に飛びついた。
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