三花 七月七日

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「え、七年前って、俺らとそんなに年離れてないよな?」 「おまじないをした人がここに飛ばされるってこと?!」 「全部話すから、みんな落ち着いて聞いてね」  二葉は一度息を吐き、静かに話し出した。 「まず、ここは現実世界じゃない。『ナノカさんのおまじない』をした人が飛ばされる、異世界の小学校の中」 「そんな非現実的な話、あるわけっ……」 「なら、携帯でも見てみて」  二葉にそう言われて、数人が制服のポケットからスマートフォンを取り出した。どれもきちんと動く。でも。 「電波入らない……」 「何っこれ……インターネットも、電話もダメっ」 「結構経った筈だよな……? 時間、三時半のままなんだけど」 「俺もだ!」 「おまじないをした時間から動いてないでしょ? 携帯も、腕時計も」  また何人かがつけている腕時計を確認したけれど、時計も二葉の言う通り三時半で止まっている。ホームルームが終わったのが三時二十分過ぎ。まだ三時半なわけがない。  全員が何も言えず、押し黙った。
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