45人が本棚に入れています
本棚に追加
/52ページ
「え、七年前って、俺らとそんなに年離れてないよな?」
「おまじないをした人がここに飛ばされるってこと?!」
「全部話すから、みんな落ち着いて聞いてね」
二葉は一度息を吐き、静かに話し出した。
「まず、ここは現実世界じゃない。『ナノカさんのおまじない』をした人が飛ばされる、異世界の小学校の中」
「そんな非現実的な話、あるわけっ……」
「なら、携帯でも見てみて」
二葉にそう言われて、数人が制服のポケットからスマートフォンを取り出した。どれもきちんと動く。でも。
「電波入らない……」
「何っこれ……インターネットも、電話もダメっ」
「結構経った筈だよな……? 時間、三時半のままなんだけど」
「俺もだ!」
「おまじないをした時間から動いてないでしょ? 携帯も、腕時計も」
また何人かがつけている腕時計を確認したけれど、時計も二葉の言う通り三時半で止まっている。ホームルームが終わったのが三時二十分過ぎ。まだ三時半なわけがない。
全員が何も言えず、押し黙った。
最初のコメントを投稿しよう!