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しかし、二葉は悲しげに目を伏せるだけで、驚くような素振りはない。
「そうだ! 証拠不十分で釈放された後、失踪しちゃったんだっけ?」
「今も、テレビの恐ろしい事件簿とかでたまにやるよね? 確か……犯人の名前」
「切山二葉、でしょ? それ私のこと」
めぐみの言葉を遮って、今にも泣き出しそうな表情で無理矢理笑みを作った。
「ちょ、ちょっと待って! え? 七年前の女子高生でしょ? そんなわけないじゃん!」
「そうだよ! あんたいくつだよ!」
「十七歳のまま止まっちゃったかな? さっきも言ったけど私も七年前にクラスのみんなと『ナノカさんのおまじない』をしたの。結局ナノカさんの大切な物がわからなくて、『ちょっとだけ正解』した私以外、みんな殺された。他の二つの事件の子達もそう。みんな『ナノカさんのおまじない』をやって、ナノカさんに殺されたの」
「そんなっ……」
那智はいよいよ立っていられなくなって、その場に崩れ落ちた。
二葉はなおも話を続ける。
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