45人が本棚に入れています
本棚に追加
/52ページ
そして。
「四時半になったぞ!」
その時が来てしまった。
正一の言葉に、教室がしんと静まり返る。
今のところ、何も聞こえない。何の気配もない。
そのまま一分が経過した。
「大丈夫、そう……?」
「何も起きなさ……」
その瞬間だった。
ドカーーッンッ
「いやあっ」
「きゃーっ!!」
「いてえっ!」
けたたましい破壊音。
最初は何が起きたのかわからなかった。
並べていた筈の机は、飛び散り、机のそばにいた生徒達に降り注ぐ。
そして、閉じていた筈の扉は二枚とも倒れ、その上に女の子の姿があった。
「三花っ!」
お姉ちゃんに抱き締められた。
そう理解してからは一瞬のこと。
『ミィツケタァァアァァッッ! ギャギャキャキャギャキャハハハハハハハッ!』
生きてるわけがない、真っ赤に爛れた傷だらけの女の子が飛び上がって。
「いやぁっ!」
「後藤っ! 上安っ!」
「うわあぁあっ!」
「と、友華ぁっ!」
二葉の肩越しに、血飛沫が舞った。
最初のコメントを投稿しよう!