三花 七月七日

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 そして。 「四時半になったぞ!」  その時が来てしまった。  正一の言葉に、教室がしんと静まり返る。  今のところ、何も聞こえない。何の気配もない。  そのまま一分が経過した。 「大丈夫、そう……?」 「何も起きなさ……」  その瞬間だった。  ドカーーッンッ 「いやあっ」 「きゃーっ!!」 「いてえっ!」  けたたましい破壊音。  最初は何が起きたのかわからなかった。  並べていた筈の机は、飛び散り、机のそばにいた生徒達に降り注ぐ。  そして、閉じていた筈の扉は二枚とも倒れ、その上に女の子の姿があった。 「三花っ!」  お姉ちゃんに抱き締められた。  そう理解してからは一瞬のこと。 『ミィツケタァァアァァッッ! ギャギャキャキャギャキャハハハハハハハッ!』  生きてるわけがない、真っ赤に爛れた傷だらけの女の子が飛び上がって。 「いやぁっ!」 「後藤っ! 上安っ!」 「うわあぁあっ!」 「と、友華ぁっ!」  二葉の肩越しに、血飛沫が舞った。
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