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その時だ。
「え……」
三花の視界の中で『白』が動いた。チョークがひとりでに浮き上がったかと思えば、黒板に文字を書き始める。
「なんでっ」
「誰もいないのに何で動くんだよっ!」
透達が声を上げても、文字は止まらない。
『
一、ナノカの大切な物を見つけてくれたら、何でも願いを叶えてあげる。みんなを生きて帰してあげる。
一、大切な物を見つけたら、大きな声でナノカを呼んで。
一、間違ってたら、殺してあげる。
一、一時間呼ばれなかったら、四人殺しに行くからね。
一、あの子達は鬼ごっこがしたいって。逃げながら探してね。
一、全員見つけられなかったら、全員死んで。
一、七日間で見つけられなかったら、全員死んで
』
その言葉に背筋が凍る。そして。
『早くしないと知らないよ?』
最後に血のような赤い文字が浮き上がった。
「いやぁーっ!」
「もうやだぁっ……」
那智は叫び、哉子はしゃがみ込む。他にも多くの生徒が床に膝をついた。三花だって近くに二葉がいなければきっと立っていられなかった。それくらい膝が笑っている。
「これ……あいつら一時間外にいるつもりじゃないよな……?」
昌平の祈るような言葉に、二葉は無常にも首を横に振った。
「いるよ。もうみんながここにいるって知っちゃってるから、出てくるまでいつまででもいる」
「そんなっ」
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