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なのに。
「今日もこんな飯か」
雑穀米に、もやしと豚の炒め物、ワカメだけの味噌汁。ため息を漏らすお父さんを、お母さんが睨み付けた。
「仕方ないでしょ」
「わかってるけど、もう少しどうにかできないのか? 三花だってこれじゃ足りないだろ」
「どうしろって言うのよ、私の内職とあなたの日雇いの仕事で。そう言うなら短期の派遣とかないの!?」
「派遣だと名前の登録や審査があるんだよ。わかってるだろ! また三花を転校させたいのか?」
「なら文句言わないでよ」
今は言い争いも絶えなくて、二人の笑顔なんてずっと見てない。
「お父さん、私なら平気だから」
「そうか……」
ーーどうしてこうなったの?
ーー昔に戻りたい……。
そんな願いを口に出すこともできなかった。
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