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 当日「鑑賞会」に参加したのは結局二人。 クラスメートで一番仲の良い吉田と自分だけ。 「なんだよ、結局二人かよ」 吉田がつまらなさそうに言った。 「急な部会だって言ってたね。サッカー部って横暴だよね」 他に参加する筈だったサッカー部所属の三人は、中間テスト明けの今日までは部活が休みの筈だった。 それに合わせて以前から今日の鑑賞会を計画していたと言うのに、熱血キャプテンにより召集がかけられ、泣く泣く部会へ向かって行ったのだった。 「みんなが揃うまで止めておく?」 「何言ってんだよ。観るにきまってんじゃん。隣のにーちゃんからアレ借りれるの明日までなんだ。今日は母ちゃんもいないし、もう今日しかないって。見る人数が五人でも二人でも一緒だし。ほら、開、座れよ」 開は鼻息の荒い吉田に苦笑しながら、二人だけで見るのはなんだか気まずいな、とカーペットに身を縮めて座った。  そして吉田の四畳半の部屋で灯りも付けず、カーテンも締め切っての鑑賞会が始まった。
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