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夕方、ピーンポーンと呼び鈴がなった。
「佐藤さ〜ん」この声は金髪店長だ。
顔を覗かせると、その目を見開いてギョッとした顔を向ける。
「どうした?」
「冷蔵庫、大丈夫かなぁと思って来たんだけど・・・それよか佐藤さん大丈夫なの??」
グイグイと詰め寄ってくる。
「は?全然大丈夫だけど?」
「そんな痩せて、ちゃんと食べてますか?」
俺は自分の体を見て、痩せてもいないし、毎日ちゃんと食べてるので大丈夫だと重ねて言った。
「嫌、おかしいって、佐藤さん冷蔵庫のせいじゃないの?」
「ないない、本当大丈夫だから」
押し返すようにしてドアを閉めた。しばらく、金髪店長はどんどんとドアを叩いていた。
部屋に戻るとタカコが心配そうにしている。
「誰?大丈夫?」
「ちょっとした知り合い、大丈夫だから」
「それよりも、おいで」
手を広げタカコを受け止めた。
金髪店長の心配はありがたいけれど、今は、タカコとの時間を1秒でも無駄にしたくなかった。
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