会いたかったから(刀屋(おせつ徳三郎))

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天国も悪くない。 何十年か、何百年かすると希望者は、また生まれ変われたりするらしい。 何もせずのんびり…と思っていたのに大間違い。働くんですね〜。 俺の今の仕事は木こり。 木こりだよ?何、木こりって。 でも気に入ってる。 神様がトラックで回収に来るのでノルマ分は 確保しつつ、自分で家を建てた。  自分で木を倒して、乾燥させて外皮を剥いで外壁は丸太のまま、床や屋根壁は大鋸で引いた板を使って、納得いくまで三軒建てた。  木材を売った報酬を持って近くの街に買い物にも行く。 まあまあ都合の良い設定で、便利な機械は無いけど、トイレはウォシュレットみたいな。 初めて見た時に ファンタジーかよ!俺が叫ぶと ファンタジーだよ!神様がキレ気味に答えたのには笑った。 最近の子はみんな現実的で薄ら笑いする子もいて不愉快だとぷんすこしていた。100歳の爺さんをも最近の子呼ばわりするのが見ていて笑える。 老若男女数多いる神様たちが天国を運営しているようだ。  買い物も済ませてのんびりまったりの夕暮れタイムだ。窓から見える湖畔に夕陽が落ちていく。  家のドアを叩く音がする。 「はいはーい、今開けますよー」 ドアを開けたそこに立っていたのは… 「ゆい」
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