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「ねー!メメちゃん!
本当にこれ…もらっていいの?」
久しぶりにプラスチックケースの蓋が開いて
ツルッとした私の顔に初夏の空気が
触れた時…
私の事を見つめる大きな瞳に気がついた
「うーん…誰のかはわからないんだよね
元は…○○さん…そんな仕事してたから」
もうひとつ聞こえるのは…
大人の女の人の声
メメちゃん
なんて大きな瞳の子は呼んでいたけど
メメちゃんはこの子のおばさん
「響ちゃん…K高受けないで
○○女学園受かるんだもん
…びっくりよ…
でも…剣道部ないでしょ?」
「ン、ないよ〜♪同好会と
授業のクラブで剣道あるけどね♪」
私を箱から出して
「キレ〜♪」
なんて呑気に私を指先で
窓ぎわ…?縁側ね
私を見つめる子は…
どうやら女の子
腕を伸ばして…大空に向けて
久しぶりにたっぷりと光浴びて
…できることなら…月光…を
そう思いながら
その大きな瞳と指先の持ち主を見る
凛々しい…
それが第一印象
それと同時に…見えたのは…
その大きな瞳の奥に潜む闇…
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