100人が本棚に入れています
本棚に追加
「獣医さんが『爪も歯も手入れを
ようして清潔に飼ってた感じや』
っていうてはりましてね・・・
そんな人がその子を棄てるなんて
・・・なんや考えられへんなあ
って話してたんですわ」
「そこで思い出したんや!君、
木の下から僕らがエデンを連れて
帰るのを見てたやろ?」
お母さんとお父さんの言葉に
兄ちゃんの僕を抱く手が震えてる。
ポトポト落ちる涙が僕の背中へ。
「こんばんは・・・食パン、
配達に・・・」
“マメゾー”の奥さんと御主人も
入ってたきて
「ああ・・・やっぱりこの人やね・・・」
ますます兄ちゃんは震えが止まらない。
「皆、責めてるわけやない」
後ろのほうにいた伊助ジイサンが
穏やかに口を開いた。
「心配してたんや・・・」
そうなんや・・・兄ちゃん・・・
ここの人はみんな・・・
エエ人や・・・。
最初のコメントを投稿しよう!