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「幸太くん、駅までいくなら
お兄ちゃんの車に乗っていくか?」
「せやせや(そうだそうだ)!
寒いし、足が疲れてもアカンわ」
お店の前の兄ちゃんの車に
幸太くんが乗ろうとしていると、
「車の座席が高いから!」
自分の車から降りて
駆け寄ったのは田無さん。
「あ、シャンプーのおばさん!」
田無さんは理容品会社の
営業さんやから幸太くん達子供は
“シャンプーのおばさん”って呼ぶ。
軽トラックの助手席に
幸太くんを乗せて
「足・・・冷やしたら・・・アカンよ」
何度も幸太くんの足を撫でた。
幸太くんは小さい頃の
怪我のせいで
左足を巧く使われへん・・・。
「ありがとう」
「どういたしまして・・・
気をつけていくのよ」
「・・・じゃあ、いってきます」
助手席で手を振る幸太くんが
見えなくなるまで
田無さんも手を振ってた。
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