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「田無さん、他の子供たちにも
優しいけど、一際幸太くんに
優しいのも気になったけど」
「顔見たら、なんかいろいろ
してやりたくなってしもて・・・」
「他所の人が知るわけもない
幸太くんの怪我のこと・・・
いつもあの子の “不自由な足“、
気遣うのがヘンやなあと
主人と話してて・・・」
「去年の母の日、
『オバチャン、学校で造った
カーネーションの花、あげるわ』
って言うて帰る幸太の後ろ姿・・・
もう涙が止められなくて」
「田無さん、号泣やったから」
お父さんも奥からやって来た。
「なんとか名乗るわけには」
お母さんも頷いたけど
「・・・出来ません・・・
あの日、ハンドルを握ってたのは
・・・私なんですから」
お父さんもお母さんも
溜め息しかない・・・。
その日の事故で
幸太くんのパパが死んで
幸太くんの足が傷ついた・・・。
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