「そして、僕らは恋に落ちた」

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梅本先生と奥さんが 兎を連れて診察室のドアを 閉めてすぐに 「シャワーと着替えを、  このひとの、お願いします」 自分も濡れてるのに 兄ちゃんは抱えて連れてきた 知らんお姉さんを気にしてる。 「取りあえず、これを」 コリーちゃんのママが コリーちゃんのタオルを渡した。 「タヌキに押されてケージが  池に転げた瞬間に、男の子等が  池へ入るのを、このお姉さんが  止めて、自分が池へ・・・」 ゆのちゃんが説明する途中で おまわりさんが入ってきた。 「いやあ、この方がおらんかったら  子供等が死んだかもしれん。  危ないとこへウサギなんか  捨ててくれよるわ・・・」   「ああ、それは申し訳ない  ことになってしまって」 「すみません」 「ありがとうございます❗」 みんなが御礼を言うてるトコへ しのちゃんがきた。 「すみませんっ❗ゆのが、  池とか、なんか人伝てに  聞いて、・・・慌てて」 走ってきたから息がゼイゼイ。 「お母さん、私じゃなくて  このお姉さんがハマった、池」 ゆのちゃんの声でまた みんな、泥だらけのお姉さんを見る。 「すみません❗すみません❗  とにかくうちで、シャワーを」 「しのちゃん、大丈夫よ。  私の家のお風呂を使って頂くわ」 梅本先生の奥さんが 診察室から出てきた。 「うさぎさんは!?」 いっせいに子供たちが 奥さんの後ろの診察室を 見ながら奥さんのトコへ。 「大丈夫❗うさぎさんは  息をしているわ。ビックリ  しただけみたい。怪我もない」 「やったー❗❗❗」 僕らも子供たちと跳ねた。  
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