「そして、僕らは恋に落ちた」

5/28
前へ
/86ページ
次へ
「少し調べもあるんで  もう一度現場の池を見てから  署の方へ戻ります。  ウサギの飼い主も調べますわ」 おまわりさんも帰って・・・・ ”休診“ の札のまま 待合室で僕とお母さんとしのちゃん。 それから 「どないや?」 入ってきたのはお父さん。 「哉子が来たから留守を頼んできた」 哉子ちゃんは近所に住んでる お父さんとお母さんの娘。 「ヨォ、並河さん。久しぶり」 奥から梅本先生も待合室へ。 「梅本先生、髪の毛、  伸びたい放題ですやん」 「たまには並河さんに髯も  剃ってもらいたいけど  貧乏暇なしや、ハハハ」 「先生御夫婦は保護犬や猫の  飼育活動もしてはるから」 お母さんにしのちゃんも頷いて 「今日のウサギさんも  面倒みはるんでしょ?」 「フフ、私、特にウサギが  好きなのよ、フフ」 先生の奥さんが笑った。 「着替えてきました」 兄ちゃんも綺麗になって戻った。 「ウサギ、元気やで。  ちょっと見るか?」 先生が診察室の扉を全開にすると すると・・・・すると❗ 4d1ad07e-e7a1-4207-ab08-c979f8d741c0 診察台のベッドにチョコンと 座って、僕らをみているウサギさん。 (可愛い❗可愛いすぎる❗) 僕はカゴの中で棒立ちになった。 (ああ・・・僕のシンデレラや❗)      
/86ページ

最初のコメントを投稿しよう!

100人が本棚に入れています
本棚に追加