「そして、僕らは恋に落ちた」

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「お鼻に、お耳の茶色が  白い体にポイントやなあ」 「並河さん、目の回りと  背中も綺麗な茶でしょ?」 お母さんと奥さんが そっと診察台へ近づいて 「ね?人に馴れてる」 奥さんが額を撫でると ”僕のシンデレラ“が 気持ち良さそうに目を細めた。 僕も近くにいきたい~~~。 他の人も少し接近。 「エエか?エデン、驚かすなよ」 兄ちゃんが僕を抱いて 少しだけシンデレラのそばに。 (ああ、可愛いィ~~~~) みんなでそぉと眺めているとこへ 「・・・お風呂、ありがとう  ございました・・・・」 濡れ鼠だったお姉ちゃんが 待合室へ入ってきた。 「あら?素敵なお嬢さん」 奥さんの一言はお姉ちゃんに合う。 しのちゃんのジーンズに 白いTシャツが映える小顔に 大きな瞳と小さな口元が美人。 「こりゃ別嬪さんやあ」 「ホンマですなあ、先生」 梅本先生とお父さんも魅とれてる。 それから・・・ (ちょ、ちょっと兄ちゃん・・・  あんまりギュッとしたら  痛いんやけど・・・・・) 僕を抱いた兄ちゃんは 身動きもしないで お姉ちゃんの長い髪を 見たままでボーと。 洗い立てのお姉ちゃんの シャンプーの香りが 兄ちゃんを包んでた・・・。
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