「そして、僕らは恋に落ちた」

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パン屋“マメゾー”の裏、 大きな庭へ入る前から 子供たちの声が聞こえた。 「あらあら、ウチの病院を  出てから、こちらでみんな、  遊ばせて貰ってたの?」 ゆのちゃんたちは まーくん・こーちゃんの 2匹のワンちゃんと元気に 庭を駆け回ってた。 「うわあ🎵ウサギさんも  きたよ~~~~」 みんなに囲まれるけど 「はい❗間隔とって  遠くから観てあげてね」 ワンちゃん達のママ・マメゾーさんが ジュースを配ってみんなに注意。 まーくん・こーちゃんも 僕らのカゴからちょっと離れて お座りしてる。 「あ、“池ポチャのお姉さん”や」 一人が気づいて声をあげると 「この間はありがとう❗」 みんなが声を張り上げた。 「ど、どういたしまして・・・」 お姉ちゃんが圧倒されてる様子に 「ここの子達は素直でしょ?」 マメゾーさんも声をかけた。 それから 「ほんまにありがとうね。  冷たい思いをさせて」 「そんな・・・そんな皆さんに  御礼を言われるようなことでは  ないんで・・・・」 お姉ちゃんは”恐縮”って感じ。 「堀田さんにね、御礼を  持ってきて下さったのよ。  この前、服を汚したからって」 梅本先生の奥さんが言うと 「私らがお兄ちゃんを  呼んでくるね」 子供達が、すぐそばの パンを焼いてる部屋へ 駆けてった。 「この町は明るいですね」 お姉ちゃんは言うたけど なんか寂しそう・・・。 どっかで寂しい思いを させられたんやろか・・・・・ 僕のシンデレラみたいに。 僕は元気になったシンデレラに チョイチョイと手を伸ばした。
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