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その田舎町の海側には工場地が
拡がっていて、周辺には
工場で働く人がたくさん住んでる。
僕が最初に暮らしたのも
そこの狭いアパートやった。
そして・・・
「ちょっと・・・」
お母さんがお父さんに耳打ちした。
「また来てるわ・・・」
道を行ったり来たりしてる若い男・・・。
「やっぱり・・・あの人、
あの“兄ちゃん”やろ?」
「あの?この子(僕)を置き去りに
した“兄ちゃん”?」
お母さんの声に“マメゾー”の奥さんの
視線がギラリ・・・・
怯んだ兄ちゃんは足早に退散。
「もう4日めやから間違いないやろ?
顔も見覚えあるしなあ」
お父さんは苦笑いしてた。
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