彼女はえっ、と声を漏らし肩を揺らした。
「嘘でしょ?アナタ、私と同じ船でここに来た人よね?」
船と聞いて思い浮かぶのはただ一つ。おばあちゃん家の近くの観光地で乗ったあれ。
「船ですか?私、浜名湖の遊覧船くらいしか乗ったことありませんけど。」
「いや、惑星間高速移動船のこと。」
「……何ですかそれ?」
「ヤダヤダ。変な冗談はやめてよ。」
彼女は怪訝な顔をしている。おそらく私も同じ顔をしている。
「もしかして忘れちゃったの?船を降りる時、互いの仕事の成功と無事を祈って、熱い抱擁を交わしたのに!」
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