「面白いお話ですね。」
正直な感想を述べると彼女は不服そうな顔をした。
「信じてないでしょ。私のこと、ただ妄想の激しい奴だと思ってるでしょ。」
「遠い星からやって来た知的生命体が、私たちと同じような姿で同じ言葉を話すなんて都合のいい話ですよね。」
「私たちには擬態能力があるの。言語は高性能翻訳機があるから。」
「証拠はあります?」
その言葉に彼女は困ったように眉を寄せた。
「擬態を解けって言うの?こんな街中で目立つことは出来ないわ。」
「それならやっぱり信じられないです。」
左折しようとしている車が、横断歩道手前で私たちが渡るのを待っている。軽く会釈をして通り過ぎた。
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