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人前では品行方正、真面目な生徒会長。
伊吹雛子(いぶき ひなこ)。
彼女はちょっと、おかしな人だ。
「会長って、矢野先生の何が良くて好きになったんですか?」
水曜日の放課後。
一週間ぶりの生徒会議会の終わりに、会長とふたりだけ残った生徒会室で、俺はそんな質問を投げてみた。
「え、な、なに、急に……」
俺が何か企んでいるとでも思っているのか、警戒心たっぷりの眼差しで、会長は少し離れたところから俺を見る。
急というわけでもない。
矢野先生の秘密を知った日から、ずっと思っていた。
会長が、なんであんな奴をずっと好きでいるのか理解できなかったから。
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