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それが初めてのセックスであるのなら、戸惑う気持ちも分かる。 でも今回は二回目なのだ。 しかも受け入れるのは俺の方で。 ただ、上杉に触れたいと手を伸ばした瞬間、振り払われた。 「あ……。」 上杉の表情がすぐに困惑に変わったのが分かった。 だって、初めての時あんなに幸せだったのに。上杉だってあんなに幸せそうだったじゃないか。 一番深いところで繋がって、体は辛く無かったと言えば嘘になるけれど、幸せだったのだ。 だけど、その後上杉は全然俺に触れようとしなくて。 焦れた俺から誘ってみたらこの様だ。 俺が待ってばかりだったのが、いけなかったのだろうか。 それとも一度してみて、やっぱり違うとなってしまったのだろうか。 どちらにせよ、上杉に拒絶された事実は変わらない。 「半田君……。」 上杉に声をかけられるが上手く返事ができない。 そこで初めて自分が泣いている事に気が付いた。 頬がぬれている感触がする。 そっと自分の目元に触れるとボロボロと涙がこぼれ落ちてるのが分かる。 泣くつもりは無かったのだ。 そりゃあそういう気持ちにならない時もあるだろうし。何より、もうしたく無かったのかもしれない。 そりゃあそうだ。上杉はゲイでは無いと言っていた。 こんないかにも男って感じの人間に迫られても嬉しく無くなってしまったのかもしれない。 でも、俺は好きになってしまったんだ。 触れたかったんだ。 どうしようも無いな。 ボロボロと涙がこぼれる。 「悪い、今日は帰るわ……。」 声は無様に震えている。 上杉は引き留めない。言い訳もしてくれない。 つまりはそういう事なのかもしれない。 事後に優しく撫でられて、それが本当に愛おしそうに見えたのは、どうやら俺だけだったらしい。
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