彼女は月の裏側で

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「やっぱり……」 「諦めたくないのよおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」 居酒屋の喧騒を突き破るように、悲痛な叫び声が聞こえた。 皆、声のした方向を一斉に振り返る。 「……葉子(ようこ)」 そう彼女の名前を呟いた男は、本日の宴の主役の一人だった。 入り口で取り乱したように叫んだ彼女(元カノ)。 そして今日の主役の男と、その隣にはその男の婚約者(今カノ)。 今日は、二人の婚約のお祝いを兼ねた同期の飲み会だったのだ。
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