月明かりの下で【差分】

15/36
前へ
/36ページ
次へ
「だるい……」  朝、蒼生は起き上がれないほどの倦怠感に襲われていた。  昨夜は早く寝たし、そんなに疲れることもしていないのに。  体温計を使ってみると、微熱がある。 「風邪かな?」  微熱程度なら、動ける。  大学へは行こう、と朝食の準備をしたが、ご飯の炊けた香りに、激しい吐き気を覚えた。  食欲など、まるで湧かない。 「最近お腹が出てきてるし、食べなくてもいいや」  その程度の考えで朝を抜き、蒼生は登校した。
/36ページ

最初のコメントを投稿しよう!

413人が本棚に入れています
本棚に追加