秋のデートと俺達の目標

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「ああぁ、やだ、ぁ……!」  耳まで赤くなるような恥ずかしい音に、突然繰り出された強烈な快感。俺は大股を開いた状態で勇星の髪を掴み、だけどどうすることもできなくて、涙目になりながら嬌声を上げた。 「勇星、っ……あっ、あぁ……!」 「……ん。前みたく、コッチに集中してろ」  俺のそれを舌で撫でながら、勇星が再び中指を突き立てる。押し広げ、解すようにゆっくりと中に侵入してきた指──一瞬脚に力が入ってしまったけれど、俺は大きく息を吸って吐き、極力勇星の顔を見るようにした。  伏せた目と長い睫毛、高い鼻と綺麗な唇、それから……。  勇星の魅力を頭の中で一つ一つ数えながら、少しでも勇星がやりやすいようにと腰を浮かせる。中で動く感覚があるから、どうやら第一関節くらいまでは入ったようだ。 「んっ、うぅっ……」  内部をくすぐるようにして指が動く。むずむして腰が疼く。そこまで到達してもまだ勇星は俺のペニスを咥えていた。少しでも俺の負担を無くそうとしてくれるその優しさが、嬉しくて仕方ない。 「ゆう、せい……。も、もう……大丈夫かも……」 「マジか。無理してんじゃねえの」 「へ、平気。初めてでもないんだしさ……」  このまま焦らすように中を擦られるよりは、潔く勇星のモノを受け入れたかった。 「そんじゃゆっくり挿れるから、辛かったら言え」  開いた脚の間に勇星の腰が入ってくる。あてがわられた先端が少しずつ中を押し開き、俺は眉間に皺を寄せて唇を噛んだ。 「んっ、……あ!」 「愛してるよ音弥、……」 「ふ、う……、だ、大丈夫……」  愛してるの答えにはなっていないが、代わりに俺は自重を支える勇星の腕に頬ずりした。そうしている間にさっきよりも深く勇星の腰が入ってきて、大きく深呼吸をした後には更に──根元まで、俺の中を勇星のそれが貫いた。 「お、音弥くん……」 「……はい……」 「凄げえ顔してるけど、本当に大丈夫か。そんな痛いか?」  勇星が手のひらで俺の前髪をかきわけ、額に浮かんでいた汗を拭ってくれた。 「……い、痛いっていうよりは……。息が出来ない圧迫感っていうか……」 「……俺にはよく分からねえからな。それってどんな感じだ?」 「お尻に何か入ってる感じ……」  そのままじゃねえかよ、と勇星が苦笑し、身を倒して俺の額にキスをした。 「馴染むまで挿れたままにしとくか?」 「ゆ、ゆっくりなら動いても平気。痛い訳じゃないから、そんな気を遣わなくてもいいよ……」 「じゃあ、ちょっと試していいか?」 「な、何を?」  勇星が俺の両脇に腕を入れて、そのままグッと持ち上げた。突然身を起こす恰好となった俺の前で、今度は勇星が仰向けになる。 「うぁ、……!」  まさに繋がったまま勇星の上に座ってる状態だ。これって、俗に言う…… 「はあ、騎乗位最高。エロい恰好してる音弥くんを、下から見上げるという贅沢」 「……別に見てもいいけど、……この体勢だと勇星が動けなくて苦しいんじゃ……」 「大丈夫よ。こっちの方が音弥くんのペースで動けるし、俺も最高に気持ちいいし」  でも、動くってどうすればいいんだろう。勇星のそれを出し入れするだけなら、俺が腰を浮かせて上下運動すればいいのだろうけれど…… 「ん、……」  俺は両手を勇星の膝辺りに乗せて自分の上半身を支えながら、少しだけ腰を浮かせてみた。
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