ノインテータのクリスマス

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・ ・ ・  思い起こせば、あの人と出会ったのはもう随分昔のことだ。  お金も食べ物も乏しくとも、それでも当時の自分には、いくつかの選択肢があった。 私は、あの人を待つことを選択した。  必ずしも報われるとは思っていなかった。  しかし、あの人を忘れない自由と権利が、少なくとも西に住む自分にはある。  その想いに殉じる覚悟があれば、たとえ報われなくても、誰も怨まずに済むだろう。  あの時は確かにそう思えた。  確かに。  今思えばあの瞬間から、恐らく自分は、余生のような人生を歩み始めたのだ。  しかしそれでも、やまぬ想いはいつの間にか澱のように溜まり、……  ……そして知らぬ間に、腐敗していた。
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