そうだ、温泉にいこう‼️

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そうだ、温泉にいこう‼️

※フィリップ視点 九月某日。 部屋で何やらビラみたいなものを熱心に見ていたジョーが、声を上げた。 「フィリップ先輩!温泉に行きませんか?」 温泉だって……? そりゃ、行きたいか行きたくないかって聞かれたら、行きたいに決まってる。 しかし簡単に『行こう』と言えるわけではない。 「どうしたんだ突然。温泉ってどこの温泉?」 とりあえず話だけ聞いてみよう。 いきなり『ダメだ』なんて断るのもいかがなものか。 俺たちは学生の身でありながら、お互いの両親公認で同棲を認めてもらっている。 (どっちかというと親の方から勧められたのだが) だからあまり贅沢する訳にはいかないのだ。 もちろん二人ともアルバイトしているし、ジョーが行きたいというのなら、どうにかしてやりたいと思わないでもない。 ジョーが手にしていたビラを渡してきた。 「新しくできた旅行会社が、温泉ツアーを企画しているみたいなんです……」 「『CA(きゃ)っ!トラベル』って旅行会社の名前か?胡散臭いけど。『癒しと不思議体験の温泉ツアー』……モニター募集?」
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