私とTo Heart

2/8
3人が本棚に入れています
本棚に追加
/8ページ
 それが「To Heart」というアダルトゲームだった。  いわゆるエロゲ。  ビジュアルノベルという形式で、選択肢はある物の、基本的には小説を読んでいる感覚で接することができた。  この手のゲームで言うと「弟切草」や「かまいたちの夜」なんかが世間では有名になったが、そんなおどろおどろしいものでは無く、むしろ恋愛系のラノベが近い感覚かもしれない。  出てくる女の子も幼馴染や悪友に始まり、委員長、お嬢様、金髪美少女、格闘家、果てはサイキックにアンドロイドまで。  多種多様。  どんなニーズにもお答えします的なコンビニエンスラインナップ。  それぞれのストーリーがまあ、良かった。  シナリオの勝利という奴である。  サークル内でもシナリオの良さに感涙で脱水症状に陥る物続出。  エロシーン無くても行けるよね、感動的だよね、的な立ち位置にまで至る。  当然のように、どの子が良いんだ論争に発展し、果てには醜い罵り合いが繰り広げられるまで……。
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!