16-寂寥

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咲子に電話しても、虚しくコールが鳴るだけで繋がらない…無視され遮断されたままなのは辛い、この離婚届のように突きつけられたまま終わってしまうかのようだ。 このまま全てが無くなる…胸が苦しい…。 恐怖と不安に押し潰されそうで、藁にもすがる思いで、勇仁に電話すると、重苦しい空気と真逆の笑い声と威勢のいい声が受話器から聞こえてきた。 「おーどーした?今度は誰に騙された!?」 そういえば真相は定かでは無いが、グレーな今は笑えない冗談だ。 何もかもが一気に悪い方向へ流れているようで恐ろしい…。 「騙されて無いっつーの! いやさ、離婚届が送られてきてさ」 「はぁっ?? まさか、お前、孕ませたのがバレたのか?」
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